あっという間に二時間が過ぎてしまった。

カラオケを出ると、何だかフワフワとした気持ちになるのは私だけだろうか?

耳の奥でまだあの曲が響いている。

「ああ、楽しかったねー。」

「また皆で来よう。」

カラオケボックスを出て、その場で解散した。

美穂と岡崎くんは手を繋ぎながら帰っていった。

良いなぁ美穂。

岡崎くんと幸せになってね。


「家まで送ろうか?」

「え。あ……うん。じゃあお願いしようかな。」

佐野くんと亜希はまだ少し距離があるけど、ちょっと良い感じ。

きっとスポーツの話とかして歩くんだろうな。

「さて、じゃあ帰るか。」

相変わらずのぶっきらぼうな言い方に私は思わず吹き出した。

「何だよ?」

「ううん何でもない。帰ろ。」

「おう。」

亜希と佐野くんみたいに離れてない。

でも美穂と岡崎くんの様に手を繋いだりなんかはできない。

こんなに近いのに、私と拓哉の距離って凄く遠く感じてしまうな。