「そ。じゃあ聞いてみようか。」

「――へ?」

いや、だから聞いても無駄だって言ってるじゃん亜希さん。

「聞いてみて本当に鷲尾が何も言わないのか試してごらんよ。」

亜希はそう言うと拓哉に話し掛けに行ってしまった。

2人が何か話している。

時折拓哉が私を見た。

何を話しているんだろう?

亜希は何が言いたいんだろう?

私は――何がしたいんだろう?