朝日が眩しい。
カーテン越しにでも快晴の空だと分かる様なそんな日。
だらだらと着替えていると玄関のインターホンが鳴った。
「げっ、拓也もう来た。早っ!!」
ネクタイをぱっぱと締めると、何の用意もしていなかったカバンに適当に勉強道具を詰め込む。
「琴音、早くなさい。」
「分かってるー!!」
急いでいるのに急かされて不機嫌になる私って……もしかして我儘?
「いや、もしかしなくても我儘だから早くしてくれよ。オレまで遅刻する。」
いつの間にか私の部屋に入ってきていた拓也。
気配消して……あんた忍者か何かか?
「ちょ、あんた何でレディの部屋に勝手に入って来くんのよ!!」
私がそう言うと拓也は私のぐちゃぐちゃになっているカバンを見つめて言う。
「んなガサツなレディいねぇよ。くだらないこと言ってないで、用意できたんなら行くぞ?」
こんなぶっきらぼうなとこ、私は嫌いじゃない。
「うん。」
こうして今日も私の一日が始まるのだ。



