試合は白熱を極めた。
前日決勝戦で当たった優斗・拓哉ペアと竹内・三浦ペアが1時間にも及ぶ熱戦を繰り広げていた。
茂森・古賀ペアは難なく相手の3番手を下し。
新キャプテン近藤くんペアは相手の2番手。
昨日ベスト4になったペアに負けてしまう。
均衡は崩れないままにファイナルゲームへともつれる。
「はぁ、はぁ。良い感じだ。このままいくぞ白鳥。」
「分かってるよ。」
1分の休憩の後に、審判のコールでコートに戻っていく。
拓哉が立ち上がりラケットを持った瞬間だった。
プチッ。とミサンガが切れ落ちたのだ。
ミサンガを拾い上げた拓哉が私にミサンガを渡した。
「切れるまで身につけてたら願い叶うんだったっけか?……ま、足しにはなるか。」
「叶うよ、絶対。」
拓哉は笑ってコートに入っていった。
最終スコア、ゲームカウント4‐3。ファイナルゲームでのポイント13‐11。
今まで県大会に出場したことがなかったうちが、最後の大会で初めての県大会出場権を得た。
予選リーグで燃え尽きてしまったのか決勝トーナメントは一回戦で負けてしまったけど、なんとか3位決定戦に勝ち、あと一月。
このメンバーでコートに立てることになったのだった。