最初のポイントで流れを掴んだ優斗と拓哉が2ゲームを先取する。

3ゲーム目からは相手ペアも本領を発揮して、そこからはお互いにサーブゲームを取って、ゲームカウント3‐2。


そしてポイント2‐1のところで優斗に緩いボールが飛んできた。

「これって茂森くん達と同じ状況なんじゃ……」

素人の私ですら気付いた場面。

皆緊張した顔で見つめていた。

「決めてくれ白鳥くん!!」

審判を終えた茂森くんがコートの外で叫んだ。

優斗の耳に入ったのだろう。

にっ。と笑った優斗。

力みもなく大きく振りぬかれたラケット。

今日一番のベストショットが隅に突き刺さった。

「よし!!」

「マッチポイントだ!!」

最後のポイントは相手のミスで拓哉の正面にボールが飛んでいき。

恨みでもあるのかな?ってくらい力強く叩かれたボレーで幕を閉じた。

「よっしゃぁぁぁっ!!」

コートでハイタッチする優斗と拓哉。

「やったね。格好良いよ2人とも。」

そして優斗と拓哉は次の第2シードをなんとか倒し、決勝で茂森くん達と当たったペアに惜敗。

準優勝で地区予選を勝ち抜いたのだった。