地区予選個人の部。

個人の部とは言っても軟式は一対一で戦うシングルスが無いらしくてダブルスの部。

うちの学校は前回の大会で茂森くんのペアがベスト16になったから、シード権が一つ与えられていた。

「良い位置だな白鳥。」

茂森くんがトーナメント表を見ながら言う。

「うん。」

優斗と拓哉のペアが入った16シードは、ベスト8決めで第四シードと当たる位置にあった。

強敵には違いないけれど、トーナメント表の隅にたたずむ4強の中では一番格下だ。

可能性はある。

「茂森くん達は辛い位置に入ってしまったね。」

「まーね。」

茂森くんと古賀くんのペアは三回戦で第一シードと当たってしまう。

茂森くんは少しだけ動揺している様にも見えた。


各学校毎に練習コートが割り当てられ、少しだけ練習をした後に開会式が始まった。

開会式が終わると、最初に試合をする人達が呼ばれる。

「茂森・古賀ペア。山崎・橋田ペアは第3コートに入ってください。」

呼ばれた茂森くんと古賀くんがボールを取りに本部へと向かっていく。

「……みんな頑張れ。」