いつも通りの時間になっても拓哉は来なかった。

学校に着いてから知ることになるんだけど、拓哉は朝6時30分からの朝練に参加していたのだ。

ちょっと早めに起きたからって悠長にモーニングコーヒー(砂糖とミルクたっぷり)をしてたら遅刻ギリギリになった。

「行ってきまーす。」

駆け出していく私をママが見送ってくれた。

「結局遅刻ギリギリ……ま、あの子らしくて良いのかしらね。」

鼻歌混じりで家に入っていくママ。

私は駆け足で駈けていく。