真剣な表情で私の瞳を真っ直ぐに見つめていた。

「オレ……お前にとってひつ……」

「ひつ?」

私は、拓哉が何かを飲み込んだのが分かった。

「いや……やっぱなんでもない。」

そう言ってまた歩きだした拓哉。

私は前にママと見た哀しげなその背中を追い掛けていった。