気が付くとあたしは軽くメイクを施してからお気に入りのトワレを振り、厚手のコートを羽織り、膝掛けを持って下の公園へ向かっていた。 ……流されなければいいんだ。 ただの友人に会うだけ。 そうよ、あの夜は無かったことなんだもの。 唇をキュッと閉じ、彼の待つベンチへ歩き出した。