彼だった。 彼がいた。 また私の体は一瞬で熱くなった。 彼はおつりの二円を募金入れに入れた。 出て行ってしまう。 どうしよう! 何だかデジャブみたいだ。 「いらっしゃいませぇー」 行っちゃう! 出て行ってしまう! 「…お次の方どうぞ?」 店員が首を傾げたが、私はミルクティーをレジの横の棚に乱暴に置いて、店を飛び出た。 このチャンスを逃したら、私 絶対後悔する!