水色のリュック!



いつもの時間よりは遅いけれど、確かに彼が歩いてきた。



どうしよう。

どうしよう。

どうしよう。

どうしよう。




このままでいいの?


ジュンジュンと胸が焼けていく。

手が震える。



ああ、行ってしまう。

今日も、目も合わないまま。



そんなの…嫌だ。



行かないで。

待って。

行かないで!





気がついたら私は、ホースを持つ手を高くあげて、彼に向かって思い切り水を飛ばしていた。


一瞬自分が何をしたのか、分からなかった。




何秒かして、ハッと我に帰った。

目の前には、水浸しになった彼がその場で立ち止まっていたのだ。