「ごめんね・・・。
師長、うるさいでしょ?」
ようやく、それだけを言葉にした。
「まあね。
入院なんかして遊んでないで、仕事しろってさ。
誰が、遊びで入院するってのよねぇ」
里佳子は、からっと告げて、去っていった。
ごめんね。
私は、彼女の背に、何度も両手を合わせる。
わかってる。
里佳子が、いろんな話をして、私に気を使わせないようにしてくれたこと。
私が休んでるせいで、仕事がどれだけ大変になってるか、
里佳子に重い責任がいってしまってるってことも。
ちゃんと、
わかってる。
こんな風に、心を許せる友達が、同じ職場にいるっていうのは、
本当にありがたいことだ。
私は、退院したら、里佳子にランチをおごろうと決めた。

