唇に触れるくらいの距離で放たれた言葉が、胸の奥にドシンと響く。
「私も。
私も待ったよ。亮雅は絶対戻ってきてくれるって信じてた」
感傷的にはなるまいと思っていたのに、その感情を言葉にしたとたん、
両の目から、熱いものがとめどなくあふれ出してしまった。
「もしも。
もしも戻ってきてくれなければ、私が探しに行くつもりだったの。
ちゃんと自立して、いい女になって、それから、りょ・・・っ」
さっきまでと違う、噛み付くような口付けで、私の言葉は途切れた。
唇を割って侵入する彼の舌が、私の本能を刺激する。
亮雅の掌が私の体のあちこちに触れ、そのたびに体の中心からぞくぞくとしたものがせりあがってくる。
・・一つになりたい。
体の結びつきが苦手な私の心が、変化した瞬間だった。
「亮雅」
いったん離れた唇がつむぐのは、愛する人の名だ。
新しい空気を肺に取り込んだときには、再び亮雅の唇が私の唇をふさいでいた。

