マンションにたどりついたのはそれから30分後だ。
急な呼び出しに備えて、病院から15分ほどの距離にあるのだが、
週末の夕方ということで、倍の時間を浪費した。
玄関を開けたとたん、あまり広くない廊下にガムテープを貼ったままの段ボール箱が積み重なっているのが嫌でも目に入る。
「これも、なんとか今月中に片付けたいね。
明日お休みでしょ?本棚買って整理しようよ」
私の言葉に、後ろからついてきた亮雅はそうだな、とだけ返した。
ダンボールの中身はほとんどが亮雅の本類なのに、片付けは女の仕事だとでも思ってるのか、本人は興味なさげだ。
「すぐご飯作るね」
今のところは私のほうが時間に余裕があるので、食事は私が作っている。
コートをハンガーにかけながら、夕飯は煮込みハンバーグにしようと思っていた。
この間大量に作って、冷凍しておいたのがあるからすぐにできる。
のに。
「それより風呂が先だ。汗かいて気持ち悪い」

