当然といえば当然かもしれないが、病院の中で医師はいつでも最高の条件を提示される。
・・こんな近くの駐車場なんていいよなぁ。
病院の大きさに比べ職員用駐車場の数が全く足りていない。
そのため、事務員や看護師でも臨時契約を結んでいる人には駐車場がない。
皆、バスと電車を乗り継ぐか、近くにある民間の月ぎめ駐車場を借りている。
もっとも、駐車場代の補助は出ないため、その分は自腹だ。
必然的に私は、年間1万円で病院の敷地内に車を置ける亮雅の車に乗せてもらうようになる。
といっても、毎日同じ時刻に帰れるわけでもないからこれが大変なんだけど。
「今日は買い物は?」
車のエンジンをかけたとたん、亮雅が行き先の指定を求めた。
「夕飯の材料はあるんだけど、お風呂のふたが買いたいんだよね」
「風呂のふた?」
「うん。一緒に暮らすことにしたけど無駄な買い物はやめようって、
お互いの持ち物を持ち寄ったでしょ?
お風呂のふたは、どっちも持ってなかったんだもん」

