この時間、学校の生徒はすでに下校しているため、門は閉ざされている。
人が出入りする小さな門だけが、開閉できるようになっているのだが。
・・あれ、いない?
街灯の少ないこの場所は、木々がうっそうとしているため夜はあまり女一人で近づきたくない場所だ。
大分日が長くなったとはいえ、人気がなくなった病院の裏なんてあまり気持ちのいいものではない。
コード・イエローだなんてメールが来るからてっきり先についているんだと思っていたのに、と、私はちょっとむっとした。
・・走って損しちゃった。
私の方が、亮雅の何倍も彼を思っているってことが証明されたようでちょっぴり悔しい。
木々の間から見える月までが、なんだか私を笑っているようで、ちぇっ、と舌打ちをした。
その瞬間。
「きゃ~!!」
突然後ろから抱きつかれて、私は静かな一帯にこだまするくらいの大声をあげた。

