『コード・イエロー
バカップル誕生の場所にて』
開いた携帯電話には、このタイミングでくるかというほど、どんぴしゃな文字が並んでいる。
・・もう、亮雅のやつ!
私がバカップルと呼ばれているのだという文句を聞くと、
亮雅は逆に面白がってバカップルという言葉を連発するのだ。
むっとしながらも、自分の顔の筋肉が自然に緩むのが感じられて。
やっぱり、自分はバカ(ップル)かな、なんて考えたりもする。
携帯をしまうと、私はゆっくりと駆け出した。
付属の学校まで持っている病院の敷地っていうのは、かなり広大だ。
だからって、多少ペースをあげたくらいで何も変わらないんだけど。
それでもやっぱり、一秒でも早く亮雅の顔が見たくて。
その腕に抱きしめられたくて。
気づくとマラソン選手のように一定のリズムを刻みながら、私はぜいぜいと肩で息をしていた。
今朝顔を見たばかりだっていうのに、もう長い間会っていない気分だなんて。
・・私ってば、自分の年を考えなさいよね。
自分で自分に突っ込みを入れた。
恋なんて時間の無駄だと鼻で笑っていた過去の私が今の自分を見たら、
きっとこの女は気でも狂ったのだと判断するだろう。

