店内はかなり暖房が効いているようで、私は冷たい飲み物にすればよかったと後悔した。
「准看の試験は面接重視らしいから、病院で働いてた事をちゃんとアピールするんだよ」
「うん・・・そうだね」
目を伏せて、ココアに息を吹きかけると湯気で前が見えなくなる。
「仲地先生からは、やっぱり何の連絡もないの?」
私が微妙な態度を取ったからだろう。里佳子が声を落とした。
「ん。音信不通のまま」
亮雅が牟礼中央記念病院を退職したのだと知ったのは、あの後すぐのことだった。
海東によると、どうも僻地の医療に携わっているらしい。
連絡先を調べようかと言われたけれど、やめておいた。
「今はそれどころじゃないよ。看護助手の仕事もまだまだ慣れないし。
新しいアパートは排水溝の調子が悪いし。問題山積み!」
私が両手を挙げて降参のポーズと取ると、里佳子もふっとため息をつく。
「そっか。私も人ごとじゃないんだよね。来月で仕事も辞めるから引継ぎが大変だし。
学校に入るのはスタート地点だもんね。頑張って勉強しないと」

