それからしばらくの間、いつもの私たちに戻って雑談をした。
あきれるくらい、いつも通り。
それは、お互いがお互いを思っての表面上の会話だったのかもしれない。
けれど、それはとても大事なことだということを私は知っていた。
別れ際、里佳子はそっと私の手に触れた。
「夏夜。私を許してくれてありがとう。
あとさ、仲地先生のこと、逃がしちゃダメだよ!
ちょっと色々大変かもしれないけどさ、私はこれから先何があっても、絶対夏夜の味方だから!」
「うん。頼りにしてる!」
人目も気にせず、駅のホームで抱き合った。
なんか、学生ののりで若返ったみたいだ。
「そうそう、ちゃんと駅まで迎えに来てもらいなよ。
またあのおかしな二人組みに絡まれたら大変だからね。それじゃ!」
里佳子の後ろ姿が見えなくなるまでずっと手を振った。
電車に揺られながら見る夜の街は嫌いじゃない。
擬似ではあっても、たくさんの灯りが優しい星のように私たちを照らすから。

