救急車がたらい回しにされる、というニュースがたびたび話題に上がる。
それには複雑に絡み合ったいくつもの問題があって。
患者側に問題がある場合も少なくない。
例えば妊婦の場合で言うと、出産までに一度も検診を受けていないことなどがある。
そしていざ陣痛がきた段になって救急車を呼ぶのだ。
そうなると、病院側はなんのデータもないままにその人を引き受けなくてはならない。
母体は感染症を持っていないのか(血液感染の恐れがある場合は特別な体制で臨む)、
正常分娩で産めるのか(帝王切開であれば当然手術の準備が必要)、
赤ちゃんに異常はないのか(生後特殊なケアが必要な場合はちろん準備が必要)、
など、通常なら出産までに調べられるべき多くのことが不明のまま、危険な出産に臨むことになる。
そして万一何かあれば、病院の責任だと訴えられる。
もちろん、妊婦の側にだってお金がなかったり、病院が近くにないなどの言い分は色々あると思う。
けれどこれがまた難問で、こういう患者さんは入院費用を払わないまま退院したりするのだ。
なかには常習者もいて、何人もの子どもを同じ方法で産み、何百万も滞納していたりする。
病院で働いていると、患者側の肩ばかりを持つわけにいかない事情が見えてくる。
それでも。

