この期に及んで、やはり言い逃れをするつもりなのかと思ったけど。
・・そんな風には見えないよ。
海東という人間に対して持つ私のイメージが、邪魔をしているからかもしれない。
けれど、言葉にも態度にも、彼の精一杯の誠意を感じる。
「彼には、私の縫合不全だと言われたが」
「彼?」
おうむ返しにつぶやいた私に答えたのは、海東ではなく亮雅だった。
「主治医のことだろ。柿崎院長だよ」
「ええっ!?」
こんなところで院長の名前を聞くことになろうとは、まるで予想していなかった。
柿崎は外科出身の院長であるため、内科の受付にいる私は、ただの一度も面識がない。
・・ん?柿崎?
「“K医師”!!」
思わず叫び声をあげた私は、一斉に3人の視線を浴びた。

