亮雅はちっと舌打ちして、海東から頭を背けた。
里佳子は相変わらず、考えの読めない顔で海東を見ている。
沈黙にならないほうがいいような気がして、慌てて口を開いた。
「あの、わからないっていうのはどういうことですか?
姉は、敗血症で亡くなったと聞いているのですが」
亮雅が怒りをあらわにしたせいで、私の頭はかえってすっきりしていた。
最初から、それほど姉の事を思っていなかったのかもしれないけれど。
「手術が終わった日の夜中、春菜さんの容態が急変したんだ。
そのまま意識不明になって、3日後に彼女は死亡した」
「急変の原因は?」
「出血による血圧の低下だ」
海東の瞼がそっと瞳を覆う。
「出血って、お腹の中でってことですよね?そうなったそもそもの原因は?」
多分、外見的には成功したかに見えた手術も、内部で出血が続いていてショック症状をおこしたのだろう。
だとしたら、明らかにミスではないか。

