それでも、さらに自分を落ち着かせたくて、深く息を吸ってから、 亮雅と扉のわずかな隙間に自分の体をねじ込んだ。 彼の真摯な瞳。 私の大好きな彼の大きな瞳が、どうなってしまうのか。 体が小刻みに震えるけれど、大丈夫だと言い聞かせた。 「姉の手術の執刀医は。 海東先生ですか?」 静かな室内に、はっと息をのむ音が零れ落ちた。