「え、なんで」
動揺を悟られたくなかったが、多分ばればれな声の震え。
私のばか。
「あくまで噂なんだけどね。なんていうか・・・。
その、本当、なの?」
「噂でしょ。ただの噂。私と仲地先生じゃ差がありすぎるし。
それに私、お医者さんは嫌いなの!」
そこまで力説しなくても、というくらい私は勢いよくしゃべった。
言葉に詰まったら、本当の気持ちを吐露しそうで怖い。
これ以上傷つきたくない私は、
亮雅とは、最初から利害関係で付き合ってたんだって思い込もうとしていた。
そしてそれは、全くの間違いでもないわけで。
「それより、永井君のほうはどうなの?そろそろ彼女くらいできた?友達もそろそろ結婚し始めたりしてない?」
突っ込んだ話になる前に、永井へと話を振った。
派遣社員で働いている彼にしてみれば、結婚の話なんてされたら困るだろうという前提で、
亮雅の話をごまかそうという魂胆だったんだけど。
「あ~、うん。実は彼女と結婚の話が出てるんだ」

