そう言われればそうだな、と私はひどく納得した。
診療報酬というのは、病院で行う全ての行為の値段表みたいなものだが、
これが結構頻繁に改定されるのだ。
診療報酬引き上げとか引き下げなんて言葉を耳にしたことがあると思うが、
これによって、病院の経営方針というのは大きく変動がある。
つまり、儲かる患者と儲からない患者、儲かる検査と儲からない検査、なんていうものがころころと変わっていくのだ。
当然、儲かる患者や儲かる検査が多ければ病院は潤う。
永井たちは、例えば病院のベッドの稼動率や、科ごとの運営費や報酬などを分析して、
どうすればもっと効率よく病院が設けられるかを考えている。
そのためには、儲からない患者をあの手この手で退院させたりもしているわけで。
笑顔の裏で、患者をお金に換算するのが仕事なのだと考えると、少しだけ気持ちが萎えた。
それでも、永井は思いやりのある素敵な男性だと思うけれど。
「そういえば藤崎さんさ」
永井は、運ばれてきた前菜に口をつけながら、
「仲地先生と付き合ってたって噂、本当なの?」
突然真新しいかみそりのように、鋭く切り込んできた。

