カーテンを開けたリビングは、一気に明るくなった。
ソファに腰をおろしてぼんやりと部屋を見渡すと、空間が突然広くなった気がする。
いつでも亮雅と二人でいたわけでもないのに、
人の感覚は、感情に左右されるものらしい。
リビングに置かれた時計の長針と短針が重なり合う。
昼の12時。
この時刻になっても、勤務の催促の電話が入らないところをみると、
どうやら私のクビだけは、間違いなく確定のようだ。
「クク。アハハハッ!」
自分でもどうして突然笑いがこみ上げてきたのかわからなかった。
自暴自棄になったせいか。それとも浮かれていた自分自身への戒めのためか。
とにかく私は痛む喉が悲鳴を上げるまで、ずっと広いソファの上でひたすら笑い続けた。
やがて、その笑いが嗚咽に変わり始めた頃、手の中の携帯が震え始めた。
・・亮雅!?
この期に及んでも、好転を期待している馬鹿な私は液晶が浮かび上がらせた“里佳子”の文字に、軽く息を吐いた。

