道路はすでに小さな水溜りができていて、泥だらけになった私はひどくみっともない格好になる。
「お~、ごめんよぉ。何?彼女ってば傘もささないでどうしたの?
俺たちといいことしない?」
私の体にぶつかった(ひょっとしたらわざとかもしれないが)二人組みの若い男が、お約束のように絡んできた。
たくさんのピアスがぶら下がった耳が、ひどく不恰好に思える。
無言のまま立ち去ろうとしたら、行方をさえぎられた。
「なんだよ。無視すんなよ。いいじゃん、ちょっとくらい遊んでこうぜ」
「お、何?ひょっとして泣いてたの?か~わいそ!どしたの?彼氏に振られた?」
私の前後に立ちはだかった男たちが、私の顔を交互に覗き込んでくる。
「やめてください!」
苛立ちのままに無理やりすり抜けようとすると、男に腕をとられた。
「ちっ!なんだよ、偉そうに。
お前みたいなおばさんに声かけてやった俺たちの親切をなんだと思ってんだよ。ちょっとつきあえよ!」
「きゃっ!」
両脇を抱えられるように密着され、私は事態の深刻さに気づいた。

