ヒューズが飛んだみたいにバチンと音がして、私の目の前が真っ暗になった。
「ど、うして?」
不覚にも、付き合っていない前提の人間がすべきでない質問をこぼしてしまう。
けれど、私と仲地の関係を目の前で見ていたかのように、永井は流暢にしゃべりだした。
「なんていうかさ、気を悪くしないでほしいんだけど。
相手は、医者だろ?女には不自由しないし。
遊んで捨てられるのは藤崎さんだよ?僕は、藤崎さんにそんな風になってほしくないんだ」
それは、私を心配してくれた永井の心からの忠告なのだろう。
けれど今の私には、彼の言葉が残酷なものに思えた。
怪我をして飛べないでいる鳥に、頑張って飛べよと石を投げつけているかのように。
「別に、仲地先生のことなんて、何とも思ってないから」
さよならも言わず、病院の外へと駆け出した。
藤崎さん、と呼ぶ声が聞こえた気がしたけど、振り返る勇気はなかった。
ついてないときは、とことんついてないものだ。
さっきまで星が見えていたというのに、私が飛び出したとたん、空から雨粒が落ちてきた。
そんなこと。
言われなくても、私が一番良く分かってる。

