外の気温がぐっと下がって私は首をすくめた。
上着を着てくるべきだと後悔したが、今は時間がもったいない。
マンションの駐車場を見ると、亮雅の車は停車したままだ。
ボンネットに手をかざすが、ずいぶん冷えている。
どうやら徒歩で出かけたようだ、と考えたところで私の足がぴたりと止まった。
街灯が一定間隔に並んでほの明るく道を照らす。
道の両側を見たが、人影はない。
亮雅はどこへ行ったのだろう。
行き先に全く心当たりがないことに愕然とする。
・・私、亮雅の何を知ってるんだろう。
亮雅が私の過去を知っているらしいこと。
それを目的に近づいたらしいこと。
なんとなくぼやけて見えるそれらの事実は、けれども掴もうとしてもすぐに霧散する。
こんなときに、亮雅がどこへ行きそうか、友達の一人さえまるで心当たりがない。
どうすればいいのかわからず、気がつけば足は病院へと向かっていた。
そこしか、彼の行き場所に思い当たらないのが情けなかった。

