声にしてから、海東は慌てて顔の前で手を振った。
「いやその、若い人の色恋を詮索するわけじゃないんだが、
ちょっと気になったものでね。その・・・彼のほうから君に言い寄ったのかね?」
「あの、私と仲地先生はそんな仲ではありませんが」
「あぁ、誤解しないでくれ。別に、病院に言いふらしたり邪魔しようって訳じゃないんだ。
ただその、なんというか、どうしてそんな風になったのかと思って」
私の否定の言葉を、海東はまるで受け付けない。
なにかの確信を持っているみたいだ。
でも、それよりも気になるのは。
「あの、先生はどうして仲地先生と私のことを気になさってるんですか?
診療科も違ってるし、大学も、確か別ですよね?」
二人のつながりが良く分からない。
それに、海東は、だれにでも公平に接する人間で、一人の人間を特別扱いするなんてことめったにないはずなのだ。
でも、海東は、たった一言で私の疑問を解消した。
「それはその。あいつは、亮雅は、私の一人息子なんだよ」

