「お待たせしました。和食セットです」
アルバイトらしい若い女の子が、ぎこちない手つきでそれらを机の上に置く。
食べようか、という合図で、私たちは箸を取った。
「なかなかおいしそうだね」
「そうですね。前にも食べましたけど結構おいしいですよ」
それっきり、黙々と食べ続けた。
海東と話すのが初めてなわけではないが、二人で食事をするなんてもちろん初めてのことで。
里佳子となら、何時間でも飽きることなく話題があふれてくるのに、
枯れた井戸のように、言葉が続かない。
先に口を開いたのは、海東の方だった。
「その、実はね、今日誘ったのは君に訊きたいことがあってね」
海東は湯飲みに口をつけて、ごくんと喉を鳴らす。
「なんでしょう」
私も、箸を止めて海東を見上げた。
「その、仲地先生と君は、どういう関係なんだい?」
あまりにストレートな質問に、目が点になった。
もうちょっと、オブラートに包むように訊けないものか。
もっとも、実直な海東の性格からすれば、これがせいいっぱいなのかもしれないけど。

