亮雅が言っているのは、どれも術後の合併症の話だ。
遺残膿瘍は、お腹の中に膿の溜りが残ってたりすることで、
創感染っていうのは、手術の創が化膿することだ。
どちらも、手術にはつきもので、そう珍しくもない。
私が手術を受けたときも、きちんと説明を受けた。
緊急の手術を行う場合は、患者の状態がしっかり把握できていない場合も多い。
だから、待機手術と違い、予期せぬ事態に陥ることもあって、
多くの危険性を孕んでいる。
けれど。
「病院側の話では、術後の合併症ではなく、
姉は運ばれた時点で腹膜炎になっており、すでに手遅れだったのだと」
「なるほどな」
話が違う。
両親は、病院側と何度も話し合いの機会を持ったが、
両者は平行線のまま話し合いの決着はつかず、
結局、その争いは、法廷の場に持ち込まれた。

