3と0と9の文字が、暗闇の中で黄色く光って見える。
午前3時9分。
この時間まで呼び出されずにすんだのだから、亮雅はラッキーなのだろう。
ひょっとしたら、
私も--。
いったんは電気を消して眠りにつこうとしたが、
眠ろうと集中するほど目が冴えて眠れなくなった。
今頃、亮雅は、出血部位を特定するために、メスを握っているのだろうか。
戦場になっている手術室が連想されて、私はベッドから飛び起き、
壁際のスイッチを叩くように押した。
明かりがつくと、何度も深呼吸する。
暗闇の中にいると、時々息ができないんじゃないかと錯覚することがある。
そんなはずはないと、わかっているのに。
棺おけの中に閉じ込められた姉は、苦しくなかったんだろうか。
燃やされた体が、痛くなかったんだろうか。
ばかばかしいと思いつつ、時々忘れた頃にそんな事を考えてしまう。
・・死んだ人間が、苦しむわけないじゃん。
頭では、理解している。

