最初の経験がトラウマになり、自分の体はおかしいんじゃないかと悩んでいた私は、
嫌われたくない一心で、とにかく彼に言われるがまま振舞った。
二股をかけられていたと判明したときは、修羅場にもならなかった。
私のほうが、遊びだって、彼がきっぱりと断言したから。
悔しい気持ちよりも、不思議と別れられて安堵したのを覚えている。
私にとって、夜の生活が苦痛でしかなかったんだってことに、後になって気づいた。
なのに・・・。
「夏夜・・・」
耳元で囁かれる亮雅の低い声が、私の体の隅々までを支配していく。
「・・っは!」
自然と漏れる声。
間違いなく、自分は感じている。
心と体は別物だから?
それとも、やっぱり私がおかしいんだろうか。
好きでもない男の胸が、ひどく安心できる場所になりつつあるなんて。

