シャワーを浴びたせいか、自分の中で踏ん切りがついたのか、
湯気で煙った鏡の中の私は、思ったよりも血色が良かった。
ベッドの上に横になっていると、濡れた髪をタオルでこすりながら、
亮雅が近づいてくる。
ベッドサイドに置かれた小さな明かりが、亮雅の瞳をうつした。
なんだか、悲しそうな瞳に見える。
もしかしたら、彼も寂しいのだろうか。
だから、私のような女を抱く気になるのかもしれない。
ふと、海東のことを思い出した。
二人の間にあった、微妙な空気。
医者同士の争いは、看護師や事務員との喧嘩以上に厄介だ。
なんせ彼らは自分が一番と信じて疑わない生き物。
うちの病院の場合は、特に外科と内科の争いが日常茶飯事だ。
お互いに、相手のことを中傷しあい、患者は無視されている。
亮雅は外科、そして海東生は内科に所属している。
もしかしたら、なにかトラブルでもあるのかもしれない。
海東のように思いやりのある医者に限って、そんなことはないと思うのだが。

