多分私は、万引きを見つかった高校生のような気分なんだろう。
万引きをした罪が恐ろしくて辛いんじゃない。
捕まってしまったことが、辛くて苦しい。
後悔じゃ、ない。
そのときは悔い改めようと思っても、辛い時期が過ぎればきっとまた同じ事をやってしまうんだ。
もっと友達を作ればよかったなんて、そんな風に思うのは今だけ。
苦難が去れば、友達なんてやっぱりわずらわしい、そう思うんだろう。
財布の中を覗いてみる。
連休中にATMがとまる事を見越して、いつもより多めに引き出した現金。
このとき、預金が少ないことに気づいたのに、家賃のことにまで頭が回らなかった。
まとまったお金を持っているとはいえ、ホテルに泊まるわけにも行かず、
足は自然に駅へと向かった。
気づけば、いつもと同じ経路をたどり、
2時間前に里佳子と別れを告げた場所に立っている。
“牟礼中央記念病院”
暗い街灯のともる道の中に、遠くからでも目立つ大きな看板。
Q外の入り口から、そっと中に忍び入った。

