どうかした?という里佳子の声で、ここがまだ外来だということを思い出す。 「あの、私、用事があるんだ。 今日は、先に帰って」 里佳子は不思議そうな顔をしたけど、 何も聞かずに、真っ赤なバッグを肩から提げて、じゃあお先にと言って去っていった。 ドクン、ドクン。 誰もいなくなった室内に、私の心臓がやけに大きく鳴り響く。 ずらっと並んだ診察室は、真っ暗で、昼間の喧騒が幻のようだ。 落ち着いて。 大丈夫。 なんども自分を奮い立たせて、ようやくメールを開いた。 そこには--。