隠しようがなくなり、新人看護師の大森さんは、観念したようにぼそぼそと話し始める。
事情を知った指導の看護師は、さらにヒートアップして、叫んだ。
「何やってるの!もう!
とにかく先生が呼んでんだから、そっちは受付にやらせて、診察室に入りなさい!」
はい、と小さく返事をして、大森さんは私にカルテを渡し、奥へと引っ込んだ。
何が、受付にやらせて、だ。
受付にお願いして、でしょ!
失敗を押し付けられた形になって、私はむっとした。
完全な責任転嫁だ。
それでも、文句一つ言うことができず、私は患者の自宅に電話をかける。
トゥルルル、という呼び出し音でさえ、うっとおしく感じて、
人差し指で、机を乱暴に叩く。
留守電にもなっていないので、どうしようもなく、私は20回目のコールで受話器を置いた。
こうなったら、病院前に並ぶ、門前薬局に、手当たりしだい電話するしかない。

