「だめだ、会計終わってるよ!」
里佳子がすぐに、別の電話に手を伸ばす。
会計窓口で止められれば良かったが、会計がおわってるということは、
患者は別人の処方箋を持って、外へ出た可能性が高い。
私は話の通じない電話をすぐに切り、里佳子の傍に寄った。
「すみません、一斉放送をお願いします」
里佳子が電話したのは、アナウンスを担当している部署。
けれど・・・。
多分無駄だろう。
会計の終わった患者が、いつまでも館内をうろついているわけがない。
いたとしても、放送に気づくかどうかは、賭けのようなもんだ。
「あの・・どうすればいいですか?」
新人の看護師さんは、受付に立ちすくむ。
どうすれば、って、あなたのミスなんだから先輩の看護師に相談しなさいよ。
そうは、思ったものの、ほんの少しだけ私は同情の目を向けた。

