%コード・イエロー%


カルテの内容を、パソコンに入力しながら、里佳子の口からぼそっとこぼれた言葉。


「今年は、大丈夫かな・・・」


「うん・・」


毎年、この時期になると、私たちは憂鬱になる。

4月は、研修医が入ってくるから。

でも、それだけではない。


ふと、目の前をうろうろしている看護師さんが目に入る。

配属になったばかりの新人看護師さんだ。手には、カルテを持ったまま。


嫌な予感がして手をとめると、里佳子と目が合った。

4年も一緒に働いていると、すでに、阿吽の呼吸だ。


私は里佳子に頷くと、看護師さんにどうしたのか、と声をかける。


「あ、あの・・。

この人、知りませんか?杖ついたおばあちゃんなんですけど」


「あれ?その方なら、さっき会計に行かれましたよ。

10分くらい前かな」


里佳子が横から口を挟んだ。