あたしは目を疑った。 お…狼だ。 狼は急に茂みから 飛び出してきたかと 思うと、冬也さんに 襲いかかった。 「わ!わあーッ!!」 「と、冬也さん!」 助けなきゃ。 意志とは反対に 足が動かない。 動いて! 動いてよッ! これじゃあたしも あいつらと変わらない… そんなの絶対いや!! 「や!やめなさいよ!」 その辺の小石を取って 狼に投げつける。 すると狼は こちらをじろりと見た。