そして家から
出てきたオウガが

あたしの前に
バッと立つ。



「ちっ」



舌打ちと共に
敵と思われる影は
いなくなった。



へなへなとその場に
座り込むあたし。


壁を見ると
先ほどあたしの
髪をかすめた矢が
まだしなっている。



「わりい…。
オレが外は危険だ
ッて言うの
忘れてたから」

「ほ、ホントだよ!
あたし死ぬとこだった!?
死ぬとこだったよね!?」

「や、わりいッて。
とりあえず中入るぞ」