ウルフな彼


さっき転んだ時に…



なんなの!?

いっつも転んだッて
ケガなんか
したことないのに!



あたし、よっぽど
運悪いんだあ…。





じりじり…
じりじりと

少しずつ近づいてくる狼。





もうだめだ…。

あたし、こんなとこで
誰にも気づかれず
死んでいくんだなあ…。



平凡に生まれて、

平凡に育って、

裏切られて、

冷たくなって、

人を信じられないまま、

こんな意味わかんない
死に方するなんて…



あたしの人生
最悪だったな…。



諦めて静かに
目を閉じた…。