「あッ」 さっき襲ってきた狼… オウガがロイッて 呼んでた。 「ごめんね? 怖かったでしょ」 「おい、お前 ちゃっかり由羅に 近づくな」 「なんだよオウガが 怖がらせるから いけないんだろ」 「んだと?」 ついに2人は ケンカを始めてしまった。 「あのッ!」 あたしの声に2人が ピタリと止まる。 「あたし帰りますから」 「えー?なんで??」 「なんでって…」 「そうだ由羅。 オレはお前を 選んだんだ。 集落まで来て くれないと困る」