だ!だめだ! ギュッと固く 目を閉じた時、 何かがあたしの 前を通った。 「やめろ、ロイ」 そっと目を開くと そこには1人の 少年が立っていた。 この暑いなか 帽子をかぶって その隙間からは 茶髪が覗いている。 野性的な鋭い瞳に 高い鼻。 そのへんのアイドルより ずっとかっこいい。 でも1つ不思議なのは この少年、狼に 話しかけている。 しかも狼も大人しく どこかへ行ってしまった。 こ、この人… 一体何者?