ガラッ。最近まで教室の戸は開けっ放し
だったが、もう秋なのでやや肌寒く、
今は戸が開いていたり閉まっていたり
する。

その入り口の戸を開けて入ってきたのは、
このクラスいちの美少女「猫子」(にゃ
んこ)であった。

「よう、猫子、おはよう」

「お、おはよう」

猫子ににこやかに声をかけたのはネコ
マニアであったが、猫子はちょっと
引き気味であった。

猫子の家は厳しく、マンガやアニメは
ほとんど見せてもらったことがない。

猫子が好きなのは数学と英語であり、
アニメやマンガなんか見ている暇など
ないのよと思っている、まじめな女の
子が猫子なのである。

「高2じゃ。高2がおる」

「は?」

「猫子によく似た高2じゃ」