「赤トンボ、お前、なんでいっつも絵
 ばっか描いてるわけ? 面白いか?

 まあお前の絵は父さんの絵よりは
 何描いてんのか分かる絵だけどな」

「うっさいわね。あんたはいい気に
 なって「ウサギシュート」でも撃っ
 てればいいのよ。

 文化とか芸術なんて理解できる
 アタマないんだから」

「ハハ。スポーツだって身体を使った
 芸術だと思うけどね」

赤トンボは、双子のウサギがサッカー
で認められて、ちやほやされているの
が面白くないのだ。

赤トンボはあまり運動神経が良くない
ので、スポーツマンのウサギが本当は
ちょっとうらやましいのだが、それは
彼女が口が裂けても言わないことで
ある。

このように、ウサギと赤トンボはこの
ところだんだん仲が悪くなっていって
いるのだった。