ネコ住職は目を覚ました。さっきまで
誰かと何か大事な話をしていたような
気がするが、まったく思い出せない。

ひとつだけ、「ガイア」という単語が
浮かんできたが、

ネコ住職はギリシャ神話には何の興味も
なかったので、その言葉から得られる
ものは何もなかった。

「今のは霊夢だったと思うのじゃが・・
 何も思い出せないとはなあ」

ネコ住職はがっかりしたが、頭をふり
ふりしてあきらめると、

十色寺の新入りのトラ猫「水素爆弾」に
自らエサをやりに行くために、のっそり
と布団から起き出していったのだった。

             おしまい