ネコ専務に飼われているシロは、シン
イチのその言葉にちょっと鼻白み、
「それはあたしには辛い言葉ね」
とだけ言う。シンイチははっと気づいた
ように、
「ああ、別にシロさんがどうとかいう
ことじゃないんだよ」
と言ってくれたが、シロはそれから
夜明けまで、シンイチとおしゃべりを
しながらも、心は半ばここに在らず、
自分でも意外なほどシンイチの言葉に
動揺させられて、自分も完全な自由を
求めたいという気持ちがかつてなく
膨れ上がっていたのだった。
(2本足の家に飼われているシロ、じゃ
なくて、この世界を自由自在に闊歩
するシロ、になったら?
安楽さを取って自由を捨てたあたしは、
猫の道に反しているんじゃないの
かしら?)
ぼんやりとそういう考えに気を取られ
ながらも、シンイチとぽつりぽつり、
Nオケのこれからのことを話し合っていた
シロだったが、
寝室の方でネコ専務が「ふああああああ」
と大あくびをした声を耳にして、はっと
なった。夜はとっくに明け、明るい光が
部屋に差し込んでいる。
イチのその言葉にちょっと鼻白み、
「それはあたしには辛い言葉ね」
とだけ言う。シンイチははっと気づいた
ように、
「ああ、別にシロさんがどうとかいう
ことじゃないんだよ」
と言ってくれたが、シロはそれから
夜明けまで、シンイチとおしゃべりを
しながらも、心は半ばここに在らず、
自分でも意外なほどシンイチの言葉に
動揺させられて、自分も完全な自由を
求めたいという気持ちがかつてなく
膨れ上がっていたのだった。
(2本足の家に飼われているシロ、じゃ
なくて、この世界を自由自在に闊歩
するシロ、になったら?
安楽さを取って自由を捨てたあたしは、
猫の道に反しているんじゃないの
かしら?)
ぼんやりとそういう考えに気を取られ
ながらも、シンイチとぽつりぽつり、
Nオケのこれからのことを話し合っていた
シロだったが、
寝室の方でネコ専務が「ふああああああ」
と大あくびをした声を耳にして、はっと
なった。夜はとっくに明け、明るい光が
部屋に差し込んでいる。


