雨があがったあとの 桜のトンネル。 二人で 手をつなぎながら 歩く。 私の顔は きっと 真っ赤だった。 恥ずかしくて 下ばかり見てたから、 ごめんね、 桜の記憶が何もないんだ。 綺麗だね、 って隣でつぶやく柊の声を聞きながら、 私は転ばないように 必死に 地面ばかり見てた。